猫ブームとはなんぞや(4/8)
その「個体差」をつくる要因としては環境も影響しているように思います。
たとえばここ半年くらいのうち、家族に加わった猫(写真)は、現れた当初、まったく鳴きませんでした。
こちらから声をかけても、無言。近寄ろうとすると逃げてしまう。
ただ、ただ、じーっと、何も言わずに窓から家の中をのぞいているだけ。それこそ一言も声を発しようとはしないので、家人と「声が出ない猫なのではないか」と心配したほどです。
まるで別猫のよう
ところが今はどうでしょう。
私が知っている猫のなかでも1.2を争うほどのおしゃべりな猫になりました。
先住猫がいるため家の中に入りたがらないので、ベランダの部屋で暮らしているのですが、人間が帰宅すると、どこからともなく「にゃぉ~」と言いながら迎えにきます。
お風呂に入っていれば、お風呂の窓のすぐ下で「にゃお、にゃお」と声をかけてきますし、朝になって人が起き出した気配がすると「にゃぁぁぁおぅうう~」と鳴きます。
散歩から帰ったと言っては鳴き、お腹が空いたと言っては鳴き、遊んで欲しいと言っては鳴き・・・それこそ四六時中、ずーっと人に向かって話しかけてくる感じで、まるで別猫です。
遺伝か環境か
猫と一緒にしたら怒る方もいらっしゃるかもしれませんが、人間に目を転じれば、心理学の世界では長いこと「人間のパーソナリティは何によって決定されるのか」をめぐって学者間で論争がありました。
「遺伝的要因と環境要因のどちらが、パーソナリティの形成に影響を与えるのか」が争われてきていたのです。
もう昔の話で恐縮ですが、確か大学生院のときに勉強した内容は「どちらも影響がある」というのが結論だったと記憶しています。
でも、私個人としては、遺伝的要因よりも環境要因の方がパーソナリティの形成に、より大きな影響を与えるのではないかと考えています。(続く…)