学力テスト不正問題(7/8)

2019年5月29日

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こうして改めて見てみると、文部科学省は、長年、教育行政に取り組んできた自らの立場を守るため、本音と建前を使い分けながら、競争を推進する教育「改革」の要となることができる道を探っているかのように見えます。

その立場上、文部科学省はさすがに「競争によって学力の向上を図る」とは公言できません。しかし、経済界がリードし、内閣府が進める教育「改革」の流れに逆らうこともできません。
そのために考え出した策が、全国学力テストを行なって、その結果を検証し、地方行政と学校運営をコントロールするという方法だったのではないでしょうか。

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私と話したときにも文部科学省の担当官は「学力問題解決のためにPDCAサイクルというマネジメントサイクルを確立していく」と、はっきり語っていました。
そして、実際、今回学力テスト不正問題の起きた東京都足立区で、大手企業を参入しての「マネジメントサイクルに基づく戦略的な学校経営の調査・研究」を行なっています。

個々の学校における教育活動の成果が測定できなければサイクルは動きません。だから文科省は抽出ではなく「全員参加」の学力テストにこだわるのです。

品物のように管理される子ども

ここで気をつけておきたいのは、このマネジメントサイクルが、元々は「企業が製品の品質向上や経費削減のために用いてきた経営改善手法」であることです。

そんな手法が学校教育に導入されれば、子どもは品物のように管理され、品質向上のために競わされ、トップ(内閣府と経済界)が望む品質を持った子どもを集めることができる学校に多くの予算配分がされるようになります。

そうなれば、トップにとって市場価値の低い子ども、いわゆる“できが悪い”と見なされた子どもが、どんなふうに遇されることになるかは、火を見るより明らかです。
そして、一個の人間としてきちんと向き合ってもらうことができず、自分という人間に価値を見出すことができなくなってしまった子どもがどんなふうになっていくのかも・・・。(続く…

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