学力テスト不正問題(6/8)

2019年5月29日

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教育行政の不勉強?

image070910.jpg もし、本当にそう信じているなら、文部科学省は大変な勉強不足です。
なぜなら、60年代の全国学力テストが二度実施されただけで中止となったのは、試験日に成績の悪い子を休ませたりするなどの不正があったためです。
「全員参加にした方が、より正しい学力や学校などが抱える問題を測ることができる」
というのは間違いだと言わざるを得ないことは歴史が証明しています。

そして、そのような過去の教訓を無視して全国学力テストの復活を公の立場で主張したのは、常々「国家の発展のための人材育成には競争意識を高めることが大事」と発言していた中山成彬文部科学大臣(当時)です。
その後、この発言を「待っていました」とばかりに内閣府に置かれた経済財政諮問会議(2005年)や規制改革・民間開放推進会議(2006年)などが「公教育への競争と選択の導入とセットで全国学力テストを行う必要性」を繰り返すようになります。

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競争激化は避けられない

ちなみに、これらの会議の構成メンバーは、政府の機能や公共の役割を後退させ、なんでも市場経済原理にゆだねることを「よし」とする学者や大企業のトップばかり。つまり経済活動を何よりも優先と考える人たちです。

アメリカやイギリスでの教育「改革」を見れば、そうした人たちの教育におけるねらいは明らかです。
競争を激化させ、国際社会で勝ち残ることができる企業の人材を確保するため、エリートにだけ手厚い予算配分を可能にする教育システムをつくること。そして、その他の子どもたちや子どもをエリートにするためにお金をいとわない保護者たちには、できるだけたくさんの教育サービスを買ってもらうことです。

たとえ文部科学省が本心から競争主義を排除したいと考えていたとしても、最も中枢の機関である内閣府が競争主義的な教育を応援しているのです。中途半端ななり方では、防ぎようはないでしょう。

結果を不開示情報にしても効果はない

テスト結果を不開示情報にするくらいでは、競争を抑える効果はまったく期待できないのです。何しろ「住民に公開を問われた際の判断は、ぞれぞれの自治体に委ねる」(文部科学省)ことになっています。

学力低下を気にかけ、学力向上のために運動会なども無くすべきだとまで主張する保護者が増える昨今、多くの自治体で公開を迫る住民が出てくることは必至です。
今年二月には、大阪府枚方市で、市が実施した学力テストの学校ごとの結果を公表するよう促す大阪高等裁判所の判決も出ています。(続く…

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