子どもを支配するおとな(1)
その内訳は、「積極的にすべきだ」が0.9%、「必要に応じて」が7.8%、「他に手段がないと思った時」が32.6%で、合計41.3%になります。
前回調査(2017年)から2割減ったものの、けして少ない数字ではありません。
調査から見えてきたことは
そのほか、調査から見えてきたことは以下のようなことでした。
・女性よりも男性の方が容認する割合が高い
・40代~50代の子育て世代(子どもの年齢が高い層)の容認する割合が高い
・「こぶしで殴る」「ものを使ってたたく」「加減せずに頭をたたく」などは、9割以上の人が「決してすべきではない」と回答したが、「頬を平手でたたく」だと79.2%、「お尻をたたく(48.7%)」「手の甲をたたく(51.9%)」は半数近くが容認。
気になる子どもアンケートの結果
また、今回はじめて行った子どもへのアンケート調査の結果を見ると、こんな気になる結果も明らかになりました。
・体罰等を容認する子どもが一定数いて、年齢が上がるにつれて容認度が高まる
・「怒鳴りつける」「だめな子だと言う」「にらみつける」といった子どもの心を傷つける行為をされた子どもは、38.7%。
・体罰等を受けた経験が「ない」と答えた子どもの方が、「自分の意見を身近なおとなに聴いてもらっていると思う」と回答する割合が高かった。
長じて体罰をするおとなに
逆に言えば、体罰を受けた子どもは自分を肯定的にとらえる機会を持ちにくいということです。
また、年齢が上がるにつれて、体罰を容認する子どもが増えるということは、その子もまた「体罰するおとな」になる可能性が高くなるということにほかなりません。
親に「愛されたい」と願う子どもは、親から大切にしてもらえず、何ら教育的効果の無い体罰を受けなければいけなかったという悲しみや怒りをきちんと感じることができません。
多くの場合は、「自分のせい」と考え、「親が自分を殴るのは自分が悪い子だからだ」「親は自分のために、ここまでして正しいことを教えてくれているんだ」などと、自分を納得させようと努力し、「体罰は良いこと」と信じこもうとします。
心のダメージを追う子ども
もうひとつ付け加えるなら、身体的なダメージよりも、心のダメージの方が、より深刻な影響を及ぼすことはもはや常識なのに、怒鳴りつけられたり、ダメな子だと言われたりした子どもが4割近くに上るというのも、びっくりするような数字です。