東日本大震災から6年(6/8)
大川小問題では、震災が起きた直後、大川小を管轄している宮城県石巻市が(1)遺族説明会を開かない、(2)ただ一人生き残った教師を「病気求職中」として隠す、(3)最初の頃に徴収した都合の悪い子どもの証言を改ざん・隠蔽してメモを捨てる、などの不誠実な対応を重ねました。
でもこれは「震災直後」だけの話ではありません。残念なことに市教委が「証拠や話合いのベースになる文書を隠すことで、起きた問題や責任の所在をあいまいにしてしまおう」とする行為は、つい最近もありました。
東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に避難した男子中学生へのいじめ問題で、いじめを見逃した原因や改善策を話し合う市教育委員会の内部組織「再発防止検討委員会」が、会議の議事録を作成せず、録音データも消去していたことが明らかになったのです。
区市町村レベルにとどまらない
もっと言えば、このように文書や証拠を廃棄し、その場、その場で都合のいい言い逃れをして不都合な事実を隠し、真実をねじ曲げて責任逃れをしようという姿勢は、区市町村レベルの話に止まりません。
ここのところ国会を賑わしていたPKO日報問題や森友学園への国有地売却問題もまったく同じ構図になっています。
なんとも恥ずかしいありさまですが、これが私たちが暮らしている日本という国の、政府の、行政の現実です。
前回のブログに書いたように「ニッポン、すごい!」と自画自賛し、東京オリンピック開催に向けて日本のよさをアピールし、「テロの脅威から国民を守るために共謀罪を制定する!」 と言ってはばからない日本という国を率いる人々の姿なのです。
テロよりも被災から守って欲しい
今、日本は毎年大きな災害に見舞われています。東日本大震災以降、熊本地震をはじめ震度5以上の地震が頻繁に起き、火山活動や台風被害も甚大になっています(大災害データベース/近年の日本の強震録)。そうした中で、見通しの立たない「仮の」暮らしを強いられている方々が大勢います。
そしていつ自分がその立場になるかもわかりません。テロの心配をする前に「被災したときにきちんと国民を守ってくれる政府であって欲しい」と思うのは、私だけなのでしょうか。(続く…)