水族館のマグロが死んだ(1/5)
「猫の次はマグロ」・・・。
なんだか動物シリーズのようになっていて恐縮ですが、やれ「オリンピックだ」、「甲子園だ」と、華々しい話題が多い昨今、とってもやるせない気持ちになった記事があったので、ちょっと書かせてください。
「葛西臨海水族園で2014年11月以降に発生した謎の大量死を乗り越え、ただ一匹生き残ったマグロが死んだ」 という2015年8月3日付の『朝日新聞』に載っていた、わずか25行程度の小さな記事です。
謎の大量死というアクシデントを乗り越え、「奇跡のマグロ」と呼ばれたそのマグロの死因は、水槽への衝突だったそうです。
同記事には「目の前を横切った別の個体につられるように突然速く泳ぎ出し、水槽に衝突」と書かれ、「7月中旬から2週間ほどえさを食べない異変が見られた」とも記されていました。
ストレスが原因?
その記事を読み、「2014年の大量死は本当に“謎”だったの? やっぱりストレスが大きな原因だったのでは?」などと思ってしまいました。
魚の専門家でもない私が言うのも恐縮な、ネットで調べた知識に過ぎませんが、マグロやカツオというのはとても繊細な魚でちょっとした変化にも敏感に反応するそうです。過去にも年に100匹以上が水槽に衝突して死ぬと事件があったということも知りました。
2014年に同水族館で大量死が起きた頃は、ちょうど大型水槽近くの別の水槽で改修工事が行われていて、「その振動や音が魚にストレスを与えた可能性もある」といった記述も見つけました。
やるせない気持ち
マグロはそもそも雄大な外洋を泳ぎ回る魚です。その魚を水槽に閉じ込め、展示するということに無理は無いのでしょうか。
実は私、あまり動物園や水族館というのが好きではありません。本来の生活環境から隔絶され、展示されている生き物を見ると「この動物(魚)たちは幸せなのかなぁ」と考え込んでしまうからです。
「奇跡のマグロ」と呼ばれながら、水槽にぶつかって死ぬという最期を向かえたマグロの一生とはいったいどんなものだったのか・・・。そんなことを考えると、妙にやるせない気持ちになってしまいます。(続く…)