福祉から遠い国(2/8)

2019年5月29日

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その理由は、2月〜4月にかけて、うまく福祉につながることができず、命を落とす事件がいくつも報道されたからです。

たとえば東京都立川心マンションで死後約二ヶ月がたった母親と息子の遺体が発見された事件がありました。
報道によると、母親がくも膜下出血で倒れ、後に障害のある息子が食事も取れずに衰弱したということでした。
2人の身元確認 東京・立川の母子死亡 警視庁

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立川市では、3月にもアパートの一室で高齢の母娘の遺体が見つかりました。
2人の死因は不明。発見されたとき、死後1ヶ月前後で、母とみられる女性の胃は空っぽで、栄養不足だったそうです。
母親は寝たきりで娘が介護していたことから、娘が先に死亡し、世話を受けられなくなった母親が衰弱死したという見方が強まりました。
(『東京新聞』2012年3月9日)

同じ3月には埼玉県さいたま市のアパートで親子とみられる男女3人の死亡も報道されました。報道によると、親子の住む部屋の電気とガスは止められ、食糧や現金の蓄えはなく、餓死の疑いが強いとのことでした。
北区のアパートで3人死亡 餓死の可能性も

さらに4月には東京昭島市の民家で女性ふたりが死亡しているのが見つかり、そのうちのひとりは低栄養症による肺炎で亡くなっていました。
東京・昭島の女性2人孤立死 1人の死因は低栄養症による肺炎

行政が相談に乗りながら起きた無理心中

また「餓死による孤立死」 とは違いますが、4月には東京都江戸川区で「虐待の疑いあり」との通報を受け、区側が相談に乗りだしていたにもかかわらず、母親が9歳と7歳の子どもを道連れに無理心中を図るという痛ましい事件も起きています。
4人無理心中:一家のSOS生かせず 江戸川の民家

もちろん、多くのケースを抱えながら懸命に対応している行政職員がいることを否定はしません。潤沢に資源があるわけではなく、人手不足や対応件数の増加などを受け、福祉行政がアップアップの状態という現実もあるでしょう。

しかし、そうした事実を含めて「福祉から遠い国」であることは免れないと思います。(続く…

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Posted by 木附千晶