国の責任を放棄した緊急事態宣言(2)

2021年1月31日

時短営業中

 感染したら、だれだって休みたいと思います。休んでも生活が回り、経済的に保障されるなら、ほとんどの人が入院や休業を選ぶはずです。 よほどのことがなければ、入院拒否などしたくはないでしょう

 しかし、経済的な理由や子育てや介護など生活上の理由から、休業や入院が難しい人は少なくないはずです。

 それを法を改正して「罰する」というのですから、驚きです。


欧州のコロナ対策

 ロックダウンなど、日本よりはるかに強制力を持って人の流れを止めようとしている欧州諸国では、既存のセーフティーネットを使いながら、国民の生活を支えています。
 
BBC NEWS JAPAN』によると、たとえばイギリスの「ユニバーサル・クレジット」制度(低所得者向け給付制度)などが紹介されています。

企業に補助金

閉店

 企業に補助金を出すことで、従業員の雇用を維持しようという取り組みも目立ちます。たとえばオランダ政府は、対象となる企業の賃金コストを最大90%補助するとし、フランスは総賃金の84%を補助するだけでなく、最低賃金で働く人の賃金を最大100%補助するとのこと。

 また、イギリスは最低3カ月間、労働者の賃金の80%を最大約33万円まで(1月)、カナダでは賃金の75%を最大3カ月間補助するそうです

 こうした欧州の生活を支える方策と、「GO TO トラベル(やEAT)」のような消費を促す方策。経済対策としても、いったいどちらが有効かは、明らかなのではないでしょうか。

国の責任放棄と国民の自助努力

 罰則を導入する一方で、自粛や要請を求める緩やかな宣言を出す。それは結局、「国の責任放棄と国民の自助努力への丸投げ」ということです。

 国の休業要請は「飲食店に対し、夜8時案での時短営業」ですが、自粛の連鎖は他の業種にまで広がっていく可能性があります。

 たとえば、国が「原則開所」としている保育所でも独自に登園自粛を求める自治体が出始めています(『東京新聞』21年1月20日)。

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Posted by 木附千晶