BOSTON STRONG(2/7)

2019年5月29日

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もし、アメリカという国が躁的防衛を用いて何かを喪失体験を感じないようにしてきたのだとしたら、日本はどうでしょう?

昨今のアメリカナイズされた日本の状況を見ると躁的防衛も多々用いられているようにも思えますが、伝統的には精神分析で言うところの「否認」が多用されているように感じられます。

否認をごく簡単に説明すると「現実に起こった出来事にまつわる苦痛な認識や不安の感情に気づかないようにする心の働き」と言うことができると思います。これはまさに3.11後の日本人の振る舞いそのものではないでしょうか。

顕著な例は水俣病

いえ、でも振り返ってみれば、日本人はずっと「現実は見ない」ようにして、被害を受けた人たちを切り捨て、遠ざけ、「自分とは関係のないもの」として苦痛や不安を回避して、ただただ目先の豊かさを求めて走ってきたように思えます。

その顕著な例を挙げるなら、たとえばつい最近、最高裁判決が出た水俣病(1942年発生)に代表される公害問題があります。

水俣病は、有機水銀中毒による神経疾患です。熊本県水俣市にあるチッソの工場から排水された水銀が原因で起きたため、その地名が付いています。簡単に言うと、チッソが流した水銀を含む魚介類を食べた水俣湾付近の人たちが中枢神経障害を起こすメチル水銀中毒になってしまったという事件です。

同様の症状を呈する公害病に、新潟県阿賀野川流域の昭和電工による新潟水俣病があり、イタイイタイ病(富山県)、四日市ぜん息(三重県)とならび、四大公害病と呼ばれるものです。

どれも有名な公害病ですので多くの資料がありますが、たとえば水俣病については、「水俣病センター相思社」などで知ることができます。

遅々として進まぬ救済

公害病の犠牲となった人びとへの救済は遅々として進んできませんでした。

水俣病においては、未認定被害者は約6~7万人とも言われています。今回の判決で新たに認定された方もいらっしゃいますが、認定患者は今年3月現在に申請した3万1354人のうち、2975人にすぎません(沖縄タイムス)。

認定された場合は、原因企業から1800万~1000万円の一時金が支払われますが、当たり前の生活を奪われ、半世紀以上も病気に苦しみ、戦い抜いた末に得られる金額としては驚くほど少額です。公式認定から57年もたち、すでに亡くなった方もおられます。(続く…

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